あかいわWINDでは、外部から特別に指揮者の先生をお迎えしています。
団員が笑顔になるような楽しく的確なご指導、そしてメンター兼アドバイザーとしてもあかいわWINDにいつも多大なお力添えを下さっている指揮者の先生をご紹介いたします。
指揮者プロフィール
幸重 洋平 先生
Youhei Yukishige
せと音楽工房 代表
経歴
岡山県瀬戸町出身、幼少期からクラシックピアノを始め、中学高校大学と吹奏楽でトロンボーンとユーホニウムを担当。大学在学中に現役ミュージシャンの指導のもと吹奏楽団の学生指揮者を3年間つとめ編曲では委託や自己出版などクリエイターとしても活動する。またポップス、ジャズなど幅広いジャンルの音楽活動を歩む。
卒業後は岡山に帰省し音楽療法士習得と同時にギタリストに転向。音楽療法士として施設に勤めながら単独で全国各地の医療介護施設などセッションやコンサートの旅を重ねる。
現在は音楽療法を主体とした「せと音楽工房」を起業。音楽療法士の他、講師・演奏家として岡山県内外のライブ・メディア出演。また作曲編曲家としてはCDや配信リリース、企業やコンペの採用、またミュージシャン、管弦楽、吹奏楽などへ作曲編曲提供を行っている。
【主な実績】
・おかやま国際音楽祭エンターテインメントチャレンジ2019年【グランプリ】受賞
・ラジオNIKKEIおとなのバンド大賞2021年【坪倉唯子賞】受賞
・第1回ISAC国際作曲コンクール2作品【特別賞】ダブル受賞
・第33回TIAA全日本作曲コンクール【入選】など。
指揮者インタビュー
多様な音楽経験をお持ちの幸重先生、なんとも不思議なご縁であかいわWINDに関わることになったそうです。
あかいわWINDとの出会い・共感するところ・これから期待することなど、お話をお伺いしました。
―――赤磐市との関係を教えてください
僕はもともと瀬戸生まれで、ちょっと出ていた時期はありますけど今も瀬戸に住んでいるので、赤磐市って昔は赤磐郡だったじゃないですか。赤磐郡の中だったんですね、瀬戸町って。(※2007年 岡山市と編入合併)
だから地域的にはけっこういろいろ昔から、行事とかお世話になったりしていましたね。今も商工会が赤磐市で瀬戸と一緒なので、けっこう繋がりがあります。
―――普段はどのような活動を主にされていますか?
仕事で音楽療法をさせてもらっています。それが本業で、あとは楽器を教えたり、ライブやイベントに演奏者で出たり、最近は曲を作ったり編曲したり、コロナになってからそういう仕事もちょいちょいやり始めたかなという感じですね。
―――編曲も!
編曲はもともと学生の頃にバイトでやっていたんですよ。それこそ吹奏楽とかアンサンブルとかけっこうやっていました。
当時楽器店で楽器を教えていた頃に、ちょっとやってみないかという話で2~3年くらいやっていたかな。学校から頼まれたり、市町村のテーマ曲を吹奏楽でやりたいからと依頼されたり、そういう経験があったのでコロナの時にちょっとやってみようかなと思って、パソコンのソフトで、当時のものをリニューアルして始めました。コンペにもいろいろ出して、たまたま自分の作った曲が採用されたりした流れでそういう仕事も始めたという感じです。
―――音楽療法について教えてください
私の音楽療法は参加型なので、曲を作って流して癒されるというのは実を言うとそんなにやらないんですね。
即興的なものも時にはするんですけど、基本的には参加、参加。皆さんが知っている曲を流して、巻き込んでいくという感じで。
―――楽しそうですね!
私がやっているのは特に決まりはないので、場所にもよりますがそれぞれの鳴らしたい楽器・鳴らしたいリズムでこっちが合わせていくような感じです。伴奏なんかもその場で、一応名曲などは頭に入れておいて、「こういうのやりたいんだ」という感じでジャジャジャジャーっとわちゃわちゃわちゃーと騒いでいく笑
けっこういいかげんと言えばいいかげんなんですけど、いいかげんな方がこう皆さん入りやすいというかね。
―――なるほど、「治療!」というよりは「エンターテインメント」的な
そうそう、そのイメージを持っていただいたら一番分かりやすいかなと思います。
逆に言うと、「音楽ちょっと参加し辛いな」「音楽はちょっと・・・」というような人を引き込むためにやっているので、あまり通な人は逆にちょっと入り辛かったりする一面もあったりするかも笑
でもできるだけ音楽好きな人からそうでもない人までいろいろな人を巻き込んでいけるような音楽療法、セッションをしていけたらと思っています。
―――あかいわWINDで指揮をするようになったきっかけは?
SNSでけっこう音楽関係の知っている人がいて、そこでチラッと「団員募集しています」というのは見ていました。僕もいろんな音楽をやっているので、その中で吹奏楽も昔やっていたので「あ、こういうのあるんだ」と目に入っていて。
それからちょっと過ぎた頃かな。僕はあかいわ子どもNPOセンター(子育て支援センターチャルラル)の代表の方を昔から知っていて、子どもの頃からいろいろお世話になっていて、母親もそこに勤めていた時期もあり、僕が今まで何をやってきたかというのをその代表の方は全部知っているんですよ。
―――全部知っている!
僕はあまり学生の頃の経歴を公に出していないので、実はあまり知られてないんですよ、学生の時に何をやっていたのかということを。特に指揮をやっていたなんて、この辺りの方は全然知らない。うちの母親と、身内の身近な人しか知らない。
ただその代表の方は、僕がどういう音楽をずっとやってきたのかということを知っているので、「あかいわWINDが指揮者を探していて、ちょっと困っているから相談に乗ってくれないかな?」というようなメッセージが来て。僕ももともと吹奏楽好きですし隣の地域ですし、ちょっと行ってみようかな~、みたいな感じで。
ちょっと吹奏楽とは離れていたんですけど、昔の懐かしい感じというか、ちょっとやってみようかなという心が芽生えた感じで顔を出しました。そこから流れ流れでいつの間にかやっていたという感じですね。
―――そうだったんですね!最初に顔を出されたのはどこだったんですか?
体験の時ですね。とりあえずちょっと様子だけ見ようかなと思って行ったんですね。
様子だけ見ようと思ってちょっとだけ振ってみたらすごく懐かしいというか、「ああやっぱりいいな」という気持ちになって。「この感じこの感じ」というのがすごくこう、数年味わってない音楽の体感というか・・・「ああ、またやってもいいな」みたいな、単純なんで、ぽろっとそのまま流されてしまいました笑
―――うわあ、ありがとうございます!
いやいやこちらこそありがとうございます。そうでもないと僕動かないので。
岡山に帰って来てからも「吹奏楽やろうかな」という気持ちが無いことも無かったのですが、楽団が少なかったし、ある程度もう土台がある楽団がやっぱり多かったのでまあいいかなという感じで。やめるんだったらもうここできっぱりやめようと、吹奏楽とはちょっと距離を離そうということで過ごしてきていたので。
だから、良いきっかけにはなったのかなという感じでしたね。僕としてはけっこうありがたいです、すごく。
―――知る人ぞ知る情報からこのような流れに・・・運命を感じますね
そうですね、たまたまですけどね、本当に。そうでもないと動かなかったと思うので。
「20年も経ってできるかな」とか・・・。いろいろな場所で振っていたので、経験はかなりあるのかなと思うんですけど、20年空いてどこまでできるのかなとか、たぶん時代も変わっているから指導とか大丈夫かなと思いながらも、すごく皆さんいい方なので、環境も良く入りやすいなあというのも非常にありがたかったです。
―――私たちにとっても非常にありがたいです!
お互い「いいな」って環境が一番いいなと思いますので、それも非常にありがたいなって笑
―――あかいわWINDのことを「音楽と生活が直結した楽団」と表現してくださいました
託児が付いている楽団というのは珍しいと思いますよ。今まで僕が見る限りでは無かったかな・・・最近では出てきてはいるんでしょうけど吹奏楽団という中ではあかいわWINDさんで僕は初めて目にしましたね。そこは非常に魅力的に感じました。
―――嬉しいです、ありがとうございます!
いやここは本当に大事なことというか、僕は感心しました。素晴らしいことだなと思います。
―――育児中でも吹奏楽を楽しみたいという団長の思いから始まっている楽団なので、そのお言葉は団員全員嬉しいと思います
僕も娘がもう8歳になるんですけど、子育ての間は大変というのはすごく分かるので・・・やっぱり大変じゃないですか。言うこと聞かないことも多いじゃないですか。だからすごくよく分かるので。
音楽をやりたくても1日1時間もできないというのは、それは自分たちでもけっこうありました。
―――あったんですね
子どもは生まれる前は全然そんなこと思ってなかったですけど、やっぱり子どもがいると、1時間2時間て自分の時間が持てるとそれはもう貴重な時間じゃないですか。
それを楽団の中で子どもを預けてもらって持てるというのは、もうすごくすごく大事な時間であるというのがひしひしと伝わってくる、その辺りはすごく痛いほど分かります。
自分たちもそういう経験があるから、やっぱり皆さんそういうことは思っているのかなと。ちょっとしたことでも、1時間でも預けられたらああできるのかな、こうできるのかなというのは沢山の人が思っているのかなと感じますね。
そういう現実的なところで、託児を入れて団体で音楽ができるというのは本当に素晴らしいことだなと思います。
―――ありがとうございます!
パイオニアといったらアレですけど、これからの時代の第一歩なのかなと私は思います。
これを実行された皆さんは素晴らしい!
―――あかいわWINDに期待することを教えてください
やはり子育てをする方に入りやすい楽団であること。学生さんもご年配の方もそれに繋がって入りやすくなるのかなと。
ユニバーサルデザインじゃないですけど、本当にいろいろな方が入りやすいということで窓口が広がっていると思いますので。
いろいろな方が入りやすいということは、いろいろな情報も共有できやすい。音楽だけではなく生活のことだったり悩みだったり、音楽を通していろいろなものを共有できたりするのかなと思いました。
僕はそういう、音楽の前の話に窓口が広いことを期待しています。
―――音楽の前の話の窓口の広さ!
そこの窓口が広いから入って、音楽がその先にあるという。そういう今までにないスタイルに期待できるのかなと思っております。
―――詳しくお伺いしたいです
僕はコロナの間、配信もやっていたんですね。配信で施設に音楽を流したりしていたんですけど、音楽だけを流して届けてもどうしても関心が・・・最初は珍しがるんですけど、どうしてもやっぱり生の音楽というか、その場で音楽をすることを皆欲しがってるということが伝わってきました。やっぱり行かないとだめだと。
それで僕が行ったら、「いやいやもう音楽はいいから、あなたが来てくれるだけでいいんだ」みたいな感じで。
「音楽はいいのかい!?」って笑
―――笑
複雑な思いだったんですけど、それをいろんなところで言われて。
でもそれですごく腑に落ちたのは、「ああ、音楽が1番じゃなくて、人が行って、音楽をするんだ。」という。
今までにない音楽の在り方ということに自分の中ですごく腑に落ちました。
「ああ、すごくそれって大事なことなんだな。音楽は2番なんだな。1番はやっぱり人が会うことが大事なんだな。そしてそこに音楽を持ってくるから音楽に価値が出てくる。」という感じに考え方が、このコロナ禍で自分の中ですごく変わったなと思います。
―――人が会った上での音楽、なんですね
だからやっぱり窓口を広げる。まず人が行ける環境である、というのは僕は大事かなと思います。
そこに音楽を持ってくる。そこで音楽の価値が出る。音楽のパワーが発揮される。
そういう意味では、託児もあり年齢層が幅広く音楽をできやすいという環境が整っているあかいわWINDに、非常に期待が持てるのかなと。自分の考え方と照らし合わせると、そういうことなのかなという感じです。
―――確かに「まず行ける環境である」ということは大きいですね
行きたいけど行けないという方は、いろんな理由でたぶんいらっしゃるのかなと。
特に仕事していたり子育てをしていたり、でもいろんな人生観のある方が集まるわけですからそこはもうバーッと門を幅広く広げてあげた方がたぶんいいんじゃないかなと、僕は思います。
―――ご自身の夢や目標をお伺いしてもいいですか?
けっこう夢以上の夢は正直叶っているような状況で笑
とりあえず元気でいたいですね。
―――元気は大事!
せわしない世の中ではあるんですけど、やっぱり楽しんで、人が繋がって生活が豊かになるというのが夢というか、思いですね。
僕自身は贅沢過ぎるほど幸せな生活で。まあ仕事は大変ですよ、音楽を仕事にしてしまうとけっこう大変なことばかりなんですけど、でもそれで関わる人たちが楽しんで、生活にゆとりができたら僕はいいかなとそう思っているので、今の夢をざっくばらんに言うとそんな感じですね。
―――ありがとうございます!
―――最後に、これから入団を考えている方へひとことお願いします!
堅苦しくもなく楽しさ第一・笑顔第一・皆さんの心、第一。まず悩んだら来てください。楽器を持って、来てください。
そして、決めてください笑
以上です♪
―――ありがとうございました!
貴重なお話をありがとうございました!
優しい情熱と気さくな笑顔の幸重先生、これからもあかいわWINDをどうぞよろしくお願い致します。
幸重先生が代表を務めるせと音楽工房のHPはこちら:https://seto-ongaku-koubou.jimdofree.com/
YouTubeはこちらをご覧ください:https://www.youtube.com/channel/UCi3GtRyLM3GrqARsdqCZjyw